イヤホン/
たもつ
イヤホンの中に空が広がっている
入道雲にふと船が座礁した
そのような音が聞こえる
深夜、そして、私
途方にくれる船長のポケットの中から出てくる
いつの間にかなくしてしまった私のミニカー
記憶と同じところの塗装が剥げている
今まで大事にしていてくれてありがとう
隣の方は台所が果てしなく延々と続き
どこまにも終りや食材がない
代わりにサッカーボールが転がっている
ボールは蹴られたそうな雰囲気だけれど
蹴ることはできない
イヤホンが短すぎて
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