針金/
はな
左耳から右耳を目指して
針金が進んでゆく
脳の内部がちりちりと痛んでいるから
ぼくはお砂糖をかけました
甘くなった脳みそは
外側から溶けちゃって
甘い汁が耳から垂れた
きらきら光る針金を伝って
白濁した甘い汁が垂れている
甘い香りの白い色
ぼくはぼくの耳に唇あてて
気の済むまで舐めていた
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