ジャンヌは思い出/番田 
 

花園から投げ捨てられたものだったのかもしれないと、
ぼんやりと思い描いてはいたのだがー、
あいつー、刑務所からの出なんだって、たまげたものだよ、
キミもやつの噂を知っているかな。


謀略もないがゆえ、多分旅行者だったんだろうー。
デジカメ抱えて、
娼婦ではあるがゆえに悪巧みする策略家だったんだー。
私はくやしんだ。



夜間であろうと私の行脚を止めるものなどないと、
どんなに憂鬱であろうとも、そこで歩き回って、
漆黒の夜更けに、料理屋を大繁盛させる、
何かお金になどならないようなものとして、


電気ライトで朱色の花々を結びつけてた生娘、
不況の中でも幸せという名の色を売り買いしているのよ、とー。
可憐であった、その生娘の部屋になだれ込む。
ナイトクラブで、連日連夜のように夜をともにして、


街灯の下で唇を奪ってみるー。
色々な多国籍文化を食べつくしている、
私自身の経験からすると、初めての体を交わす夜だったー。
緑の目に、金色の髪をしたやつは、娼婦だったー。


戻る   Point(1)