沈む独房(四)/
信天翁
短気が弾み胸をしめつける
亀背のかげを自転車で追って
「声」にならない
「火」の消えたリズム
「色」にならない
「水」の濁ったハーモニー
悪夢にしばられた近い「時」
幻影に化けた遠い「空」
あゝ こっそり眺めていたい
自分より年若のひとかげを
戻る
編
削
Point
(1)