どこにもいかないで/umineko
 
孤独が好きな人など、どこにいるのだろう。と思う。
みんなどこかで。小指ひとつの重なりで。
つながっていたいのだ。

自分は今こうやってパソコンの前に座って、ぺたぺたとキーを打っている。
誰かを想定しているのかといわれれば、しかし、それは少し違う。
駅のホームの独り言にもどこか似ていて。

自由詩というものは、メンタリティを覗き込む道具に過ぎない、と
時々思う。

いつも自分と会話している。それはずっとそうだった。
人はそれを孤独と呼ぶかもしれないけれど。
自分にとっては、なんだかとても懐かしいものだ。

集団登校のランドセルの後ろで。
ずっとつぶやいていたその感覚に。

あの夏の日の蝉の宴に。
どこか似ている。
  
  
  

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