隊商1ー躊躇/……とある蛙
辺境を目指して隊商は
何も遮蔽物の無い太陽の炎の先を歩く
必要以上に熱い砂の上を
ただひたすら駱駝とともに
テクテクのテクテクのてくてく
歩いて歩いて歩いて歩いた
目的地はバスラ
ローマの辺境
イラクの街
辺境を目指していた隊商は
砂漠の外れに大海原を見て
途方に暮れ、ため息を吐き
思わず空を仰ぐ
砂漠の外れの空は海に負けないほどの青であり、
青の境目に白いうねりが見え
途方に暮れる主人公たち
船がない
解決できない躊躇
疾走する白い客船が
遠く望める砂の丘に立ち
隊商は停止する。
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