名前なんて/
ふじわら
名前も無い猫がいた
茶色い三毛猫
いつも気付いたら庭にいて
ひとしきり私と遊びまくると帰っていく
名前も無い猫がいた
茶色い三毛猫
名前なんて付けられなかった
猫は気紛れで気付いたらいなくなる
名前なんて付けられなかったよ
ある日ピタッと猫を見なくなった
あぁ、って
なんとなくわかってしまった
名前なんて付けなくてよかった
生きてるか死んでるかなんて知らないけど
ただ私は
名前なんて付けなくてよかった
そう思った
少しだけの寂しさを感じ
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