こんなふうに/雨音些末
 

ただ
ほんとになにげなく
コンビニに寄った帰り道

君の後ろから
とことこと歩いて
空を見上げて

シャツの裾を引っ張って
『ねえねえ 空 きれいだよ』
なんて
言ってみたい

秋の風が
袖から出た腕に絡まって
君の不在を知らせる夕暮れ

こんな素敵な空も
君がいないと
からっぽだね

『空 きれいだよ』
の 答えが
私のおでこを小突きながら
『ばーか』
なんて一言でもいいよ

こんな夕暮れは
ただただ
特別なことなんて
なにもなくていい

普通に
君といたい




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