来たるべき眠りのために/黒川排除 (oldsoup)
夜の神社は出店の明かりを一つだけ灯しているという話である わたしはまったくの夜にそれを探しにいく狐である 闇に薄れるわたしを見守るわたしはやはり夜の闇である 明かりは不思議と風にそよぎながら同じ場所を惑わすのである
とばりを落とすくちばしを持つ鳥の名前をフクロウと名付けたのは誰であったか
火がカサカサ燃えているそこには 火がカサカサ燃えている。そこには 火がカサカサ燃えているそこには 火がカサカサ燃えているそこには、
火がカサカサ燃えているそこには石燈籠が燃えているかもしれない。なぜならわたしは明かりを持っていない。
明かりを持っていないと知るや否や突起せしめる背景に擬態した羽根の長い虫に付いて飛びまわるわけには、わたしはいかないのである。
わたしは狐の面を売らねばならぬ。来たるべき眠りのために。
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