エレベタ星人 (想起させるものに、忠実に)/乾 加津也
かりの速度をこえたあたり
キンコン。音をたてて、おい、止まったぞ
「尻のすわりがなんとなく悪いんじゃないか」物語の上映がはじまり
こんこんゆきは降りつもり
こごえるまっちうりの少女に咽びながらおえんおえんのオーディエンスになる
あらやだもうこんな時間
頭痛がするのです、助けて
子供が待っているんだ、帰してくれ
バイト遅刻すんだろが
はあ?ワタシコトバワカリマセン
ワカルのイミがイルカ、ミツカリマセン
そんな問答をくりかえせば、だれだってみんな
肝臓太らせたガチョウの強制給餌コーカで
おなじ色の屁をはく生きものになる
あのぉ、わたしたちって恋仲ですよネ
自己愛よろしく秘かに出獄もくろむ囮捜査的な精神衛生が星人にウケたらしく
「死刑台のダンディズム」として競売にだされた収益金で
さそり座星団の一筆書きにチカチカと電力が供給された
だから階段でドーゾ
戻る 編 削 Point(4)