渋谷の喫茶にて/番田
なって
いくつもの二人組のカップルになって そこに誰もが
時代の流れの中を通り過ぎて行くのかもしれないと力強く見守っていた
この国からの機械技術によってぼんやりと生み出された
街角に立ち現れた いくつもの生産された自動車すらも
跡形も痕跡もそこからはすでに無くなった金曜日の夜に、
一日中 そこで 私は見続けている、
おびただしい現実としての連続的かつ不規則的な機械音を
聞かされ続けている 私の病気がちな精神はぼんやりとアパートで
流されて行く 私はその油にまみれたロボットの機械じかけのからくりを
ひとりぼっちでその音楽を じっと凝視しつづけているのだ
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