でたらめな愛/猫のひたい撫でるたま子
私が叫んだのは、神経質な私の声で
言い負かしてしまうのはいつも悲しい
出来ないことが多くて、やりたくないことも多すぎて
ひとりでいることを忘れてきた
ひとりで冬の明け方を迎えるとき、入ってくる光
あなたとわたしはひとりぼっちがしたい?
ベランダに出る 窓をあける あなたの息が白かった
空気が冷たい昨日の空
うちに寄ってくる鳥の足音といつかの寝息と
記憶の更新はいつまでつづくの
終えたあの日からいまでもつづくの
でたらめな愛がこわれないように
長い夜の電話をするよ
戻る 編 削 Point(0)