夜と辺/
木立 悟
ゆく
空と空のはざまの水晶
雨と雨のはざまの水晶
水への一歩
水を踏み越え
星を巡り
うなじに触れる
わたしは わたしという夢から
覚めているか
手のひらの鏡を
裏返すことなく
夜は夜になり 火を燈し
さらに夜になり 火を吹き消す
うねりつづく道を
月は進む
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