夜の粉もすすけた泥/真島正人
の粉もすすけた泥さ
まっくろになって
僕とあの娘にふる
キッチンに
しゃがみこんで
今夜
あの娘は
泣いてしまったよ
いろいろな
不都合が折り重なって
まるで
金色のじゅうたんみたいだ
嫌なことばかり
はずれものにしておいたから
それがふきだまって
一つになってる
長い髪を
あの娘は振り乱し
両手で顔を覆い隠して
しくしく
しくしくと
何がそんなに悲しいの?
悲しいって何なのかなと
僕は
子供のように問いかけたくて
しくしく
しくしくと
口に出して
真似していたよ
そして
空にすすけた泥が
まっくろになって
僕とあの娘にふる
この街は
薄汚れた街さ
煤をすすって生きてる
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