夜の粉もすすけた泥/真島正人
空にすすけた泥が
まっくろになって
僕とあの娘にふる
この街は
薄汚れた街さ
煤をすすって生きてる
珈琲一杯分の
幸せを
喉に流し込み
反復する
時間と
運動をする
機械みたいにこんがらがって
ねじれていく
ここはどこなんだ
ここは
僕とあの娘の住む街
昨日の思い出の
良かった部分だけシチューに煮込んで
途中までは上手くいったのに
野菜を入れたら
ダメになった
なんだ
この匂いは
夕焼けが
鋭く尖って
あの娘の体に突き刺さっていく
うぅ
思わずうなってしまったよ
夜があけてから15時間ぐらいしたら
また夜がやってきた
夜の粉
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