連詩 「 知覚 」 よもやま野原・竹中えん・なき・夏嶋真子/夏嶋 真子
 


{引用=ほろほろとくずれはしない鍵の化石があなたのからだをひらいています
記憶は銀河のように 白い、黒い乳房のあわいをすり抜ける
あたたかな指先であなたの軌跡に限りなく薄い爪痕をつけたい
のびてゆくラインはゆるやかに地平線を絡め捕り虫籠を編む
夕日色したあなたの脱け殻をとどめて背中の裂け目に触れようとしていた


+


空蝉は、天使の季節に生る林檎だろうか
光に透ける乾いた体は過去の幸福をくり返す
レコードの回転数を指紋の磨耗する速度に重ね
空耳の薄膜にくるまれてしまえば
わたしはわたしのマリアを捜してしまう


[次のページ]
戻る   Point(18)