ラブ・ラプソディー・ブルー/木屋 亞万
だけが頭の中に渦巻いていた
そのような夢を見た後で
食料の調達のために商店街へ出かけた
そこですれ違うのは主婦や子供連れの母親
部活を終えた女子高生、帰宅途中のOL
そしてスーパーでバイトしているのは女子大生だ
思ったよりも多くの女が近所にいるのだなと思った
もしもこの中に夢に見た女がいて
その女と今日のうちに恋に落ちたなら
それには少なからず運命や
奇跡というものが関連しているのだろう
すこし期待感を抱きながら夢の女を思い出していたら
髪の長い女が自転車で私を抜き去っていった
その女をぼんやり目で追っていたら
左後方から来ていた車に危うく轢かれそうになった
現実はこんなもんだよなと思った
帰りに買ったたこ焼きは結構上手かった
戻る 編 削 Point(2)