スケッチ 3 (胡桃の中の秋)/るか
 
      って、探求しないではいられない。冷気を含んだ茜
          色の風が、私たちの国の大樹を揺さぶり、胡桃の中
          で絶叫が内部から殻を粉砕する破裂音が、そこでも
          ここでも、断続的に反復されている。私たちの魂と
          はおそらくいつもそのような形をしている。空虚は
          飢えを呼び、飢えは満たされることを求めて悲鳴を
          あげ、内部から硬質な殻を粉砕し、その香気を運ん
          でゆく風が風景を秋に染め上げる。秋の根拠は私た
          ちの空虚であり、貪婪な魂は慰めに本質を要求して
          やまない。求めよ、求めよ、私たちはみんな飢えた
          一人の子どもであるから。



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