チューニング/Giton
ぼくの壊れた心のなかで
きみが音の出ないハーモニカを吹いている
空き家の隅に捨てられていた
埃まみれのギターをチューニングしたら
きみはあしたの曙光に歌を返すだろうか
悪いふりをすればするほど可愛いんだ ほらね?
きみの尖った唇が少し また少し 開いて来るとき
きみの薔薇の白い蕾が赤く色づくとき
(もう呼吸が苦しいのか?…)
もう逝くとき
散る前に、ぼくの風船をふくらましてごらん?
(窓の外で揺れる百日紅…)
きみに、ぼく専用のスイッチをつけてあげようか?
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