失業の街角/番田
脳裏に浮かぶ、三角形、
円高介入、どうかしてるよ、
CDショップじゃ佐野元晴が、
ビリリと引き裂く怪しい音色を聞くのは嫌だ、
食器の壊れる音なんてもの、
労働よ僕には降ってこい、
誰かの通りを歩けばよろめき、
運河の小道を歩き回れば目を凝らす、
水でも種でもまくわけだから、
石炭だって、砂利だって、何でも運ぶし、
お、てらてらゆれているのは、恋人たちの髪、
怒鳴り込んだのははす向かいの肉屋、
隅のパスタ屋で焼飯を食い、
国家政策、テレビからまた誤りの、
日本人客ぼったくり、
この目の僕を、ときめかせてくれ、
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