スケッチ 2 (透明な階段)/
るか
ごらん、
まだ言葉を知らないきみのために
世界はこんなにも豊穣な秋だ
人類史の本を投げ捨てて
ぼくたちは遠い遠い旅をしよう
限りない殺戮の営みの中に
いつでも芽吹いている花があり
わたしはその花を知らず
おののきながら
わななきながら
きみの名を呼ぼう
きみは昇って行く
永遠への階段
そのとき、
わたしは、信じたまま
黎明に捧げるべき
一息の眠りに
落ちるはず
だから、
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