スケッチ 2 (透明な階段)/るか
 
 


    ユダ、という
    名の 少女の
    細い足首が
    歩む階段
    小さな黒いヒールは
    乾いた泥で汚れていた
    砂浜の
    向こうで
    永遠の階段は青空へと伸びていた、


    ポストに爆弾をしかけた少女
    クローバーと
    シロツメクサの花輪
    風、
    それから、ぼくたちはシアターへいった
 

    きみの歌うあしたは
    もう ぼくの町にはないというと、
    彼女はたしなめるような笑顔で
    世界のすべてを否定しさえする


    さあ
  
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