メモ書き/光井 新
 
彼女は、所謂雑貨屋で売っている服を着る様な人で、

私はパイル地の服ばかり着ていた
嫉妬していたのかもしれない
タオルになりたかった
彼女にかじられてボロボロになる夢を見ていた

彼女には秘密の友達がいて
あたかも小人であるかの様に紹介してきた
それはマスコットだった
フェルト――

スカートの小花柄、
シュシュの水玉、
そしてブックカバーのストライプが、(あれはジーンズのラベルと同じ素材でできている。ストライプはプリンターで印刷したものなのだ)
「シュシュは端切れ」

荷台の彼女は横向きに座っていた
久しぶりに自転車に乗った
息を切らして
長い坂を上りきる
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