雲母水母・きららくらげ/海里
 
軌道エレベーターの名前はラプンツェル
彼女のケーブルのワイヤーを借りて
フラーレンとか
カーボンナノチューブとか
ああいうので布を織ることはできないだろうか

ふわりと
飛行機から飛び降りても
何かにぶらさがるものだと結局は落ちていくだけだし
頭の真上は見えないからね

ミウラ折り素早く展開させた上に
お花見みたいにごろんと寝っころがって
積乱雲の天辺からそのまたもっと空の上を
眺めてみたい

入道雲の頂きは1万メートルぐらいだったか
ヒマラヤを越えて飛んでいくツルがいたよね
夜光雲がかかるはず
空はもっともっと青いだろうし
ああそうか、エベレストよりも寒いはずだね

それでもいつか
雲に乗りたい
スーパーセルの最先端でなくてもいい

グライダーやメーヴェがただ風に乗るように
空気を閉じ込めることなく捕まえてみたい

 
「短冊と落とし文月」より。

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