ある日飲み屋で/番田
飲み屋を流れた
飲み屋の片隅で いつも 話しかけられなかった
BOSEがある部屋で
話しかけられなかったのは スピーカーだった
そして そこにたぶん 君には 誰もいなかった
誰もいない その 交響曲は
演歌として いつも 流れた
早すぎたのかもしれない この世の演歌は
しかし 釣り糸を垂れた
演歌も時の流れなのだろう ファミコンであったとしても
スピーカーだ 真夜中でロックを手に入れたのは
私なのかと考えていた
手に入れた 歩き続ける お金ではなかったのなら
もみ消されていくのか
手に入れた 指ではない そんな
外にいくつも聞こえた歌謡である 黒い BOSEも
死を描いていくのかもしれない
閉じ込めてくる 白い葬式や だけど スピーカーとなって
言葉にされたのだと 叫びたい
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