すこしあるこうか(2)/吉岡ペペロ
 
窓辺からずっと虫の音がしていた

部屋をくらくしてそれを聴いている

目を閉じているのか

目を暗やみに開いているのか

もうわからなくなるくらい

虫の音につつまれていた

まっくろな宇宙のなかで

星々だけが瞬いているようだ

窓辺からずっと虫の音がしていた




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