boring man/Akari Chika
 
あと何分
同じ事 話し続けるんだろう

向かい合わせで
喋るなんて
テーブルを発明した人はデリカシーが足りない

雨に叩かれる窓
明かりが強すぎる店内
雑然と
雑念が
入り交じる

“自分のスタイルを探し続けてる”
向かいの男は
もう何分も
同じ事を話し続けている

添えられた
角砂糖が
崩れ出すほど
退屈だ.

果たして
どこまで
私の耳は耐えてくれるだろうか?
脇の帽子を握り締める

深呼吸
する場所
ください

ふと
目を伏せた瞬間に
頭をよぎる嫌な予感

私と
この男は
似ている

彼は
『自分の話しかできな
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