あの日の夜へ/秋也
 
破裂する景色
真っ赤に真っ赤に
染まり
燃え墨カラス
夜の始まりを祝うように
鳴きあげ
横滑りに飛び通る
透明な風船を左手に
右手を誰かに引かれた少女
名残惜しく
振りかえり
夜へ夜へと
溶けていく
渋滞した道路
クラクション一つ
闇が敷き詰められる
ようこそ
ようこそと




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