ララバイ、瞬間に/
るか
こわがらないで、どうか
時代がどんなに残酷で 悲惨で
心を破滅させるものであったとしても
きみにはいつだって、辿りうる帰途があるね
ここに、きみの国があるから
こわがらないで、どうか
シーツのうえの暗がりの中で
細い君の腕が 夜よりも黒々として
世界の人々の血飛沫に 塗れているようにみえても、
夢の中にはいつだって 優しい真実が、眠っているから
おお ごらん
他人の人生のような静寂の中で
目なら閉じたままでいい
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