…夏。/
終
君の声は、もう遠くて。
気づいたら、霞も見えない。
置き去りにされた飴を花瓶に活けてみる。
気づいた時には、もう遅いと君は、いつも言っていて。
気づいているのに気づかないふりをしている君を眺めるしかできない。
君が、何もいわないまま。
多分、そのまま終わるんだろう?
君の答えも聞けずに(聞かないまま)終わるんだろ?
さよならより遠く地平線の先に漂う波
君を失うことのない記憶。
君と話すことのない季節。
永遠に夏のような季節。
戻る
編
削
Point
(0)