ぬぼっ/藤鈴呼
そう言い放つと
田園に伸びた 長細い皹に
身を這わせて パタリと絶えた
その 指先から 一つの種が 零れ落ちて
今 優雅に 咲き誇るのだ
うろうろしている 暇など
おろおろしている 時など
ないのだ むだなのだ とでも
嘆くかのように
もう一粒の 恵みさえ 有れば
醤油色だった 土も 甦るだろう
色褪せた 切り株みたいだなんて
もう 悪態 吐かせるものか
懐かしい 緑色の茎は 決して
台風には 飛ばされないのだ
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気分次第で クルクル回る
其れが 竜巻ならば 恐ろし過ぎ
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