イモムシー/キリギリ
 
まずは画面手前にペラペラと薄く燃える炎。
その奥、薄暗いところで日本兵が中国女を追いかけている。
「まてー」「またないー」。牧歌的で退屈な風景である。鑑賞者は
せいぜい「この男、もうすぐ手足がもげるんだぜ」とニヤつきながら
画面の切り替わりを待つしかない。日本兵の狙いは中国女の性器である。
おそらく手前で燃え盛る炎は男の性欲を表わしているのだろう。
炎の近くでえっちをするのはとても危ないのだから。そして目的は
果たされる。おめでとう。それなのに後日、妻との性交時、女の目が
フラッシュバックして萎えるなんてどんな自己中だ。加害者のトラウマなど
笑止千万。日本男児たるもの己の射精には
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