そこ/藤鈴呼
 
スピードで
流れるのでしょう

飛行機雲みたいに 
消えたりは しないから 安心しなさいと 
椋鳥が 鳴いている

仮宿の暮らしは如何? とでも言うように 
菓子折り抱えた 人間が 行き過ぎる
街中に近い 駅前で

今夜は こっちの葉が
ちょっと 涼しそうだと
寝床を 決めるんだ

好き放題に 選べない
特別な事情も 存在していて

勝手 気ままな 人間たちが
網なんか 常備する もんだから

意思とは 関係ナシに 
否応ナシに あっちゃこっちゃへ
浮遊させられる

むくむくと 起き出したなら
網が 掛かって
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