水際のひと/恋月 ぴの
 
ていく言葉ってなんだかとても恐ろしい

「イジメ」にあっているとは思わなかったけど
進路指導が頻繁になった頃には耳にしなくなった
人の噂も七十五日ってことだったのかな

秋ってどこへ行ってしまったのだろうか

この頃自傷するような感覚に陥ることがある
それでも弱音なんか吐かないし
誰彼となくお愛想振りまくような真似だけはしたくない

部活で怪我した私の登下校に付き添ってくれた友だちがいた
決して恩着せがましくなかったし
彼女の親切を素直に受け入れられる私がいた

あの頃に戻りようは無いのだけど
失ってしまったものをほんの僅かでも取り戻せるならと
季節を綴る絵葉書に感謝の気持ち添えてみた




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