二学期の憂鬱/相馬四弦
 
くたびれた下校時間

竹林を抜ける石造りの階段

いつまでも濃い陰と木漏れ日が

白い制服を斑模様に染めていて

吹き降りてくる風がさくりと

汗で湿った襟首を引っかく

みんな何処へ行ったのだろう

足元に転がった蝉の死骸を踏み潰せば

その音は数千の日々を貫通しながら

何度でも夏を閉ざしてゆく






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