友達わらべうた/鈴木 西瓜
君がその女子高生の自転車のサドルに生まれ変わるなら
僕はその女子高生が三十路を過ぎたぐらいに使う勝負パンツに生まれ変わる
君がその女子高生のワイシャツから透けるブラに生まれ変わるなら
僕は女子高生に初めて使われるコンドームに生まれ変わる
君がその女子高生を好きになったなら
僕は君が女子高生におくるメールになってやってもいい
その女子高生が泣いていた時に君が優しい言葉をかけるなら
僕はその時、別の友達と遊んでいよう
ある日、君が思い出して悲しんだら
僕は君を女子高生の自転車のサドルに生まれ変わらせてくれと頼んであげる
女子高生よ
僕らはまったく君を知らないけど
ただトラックのサイドミラーに君が映ったのだ
ただ、それだけだ
僕らはたぶん親友
都合を合わせる少ない友達
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