世界が 新しくなっては/あやさめ
るはずの地層が重なり合って
もう一度化石を作ろう そう黙りこんだはずの時間があったのに
──昨日、ここで五百円玉を拾った時は
そっちの山から水が落ちてくるような
それだけの風景でした。──
もうすぐ向こうの谷も丘に変わる
そうしたら靴を履くことも既に忘れた
多くの存在という噂だけが同じ高さで
飛びこんでくる
世界が
新しくなっては
何かが埋められた
壊れてゆく先はいつも暗い
土のような明るさの中で鎚は振るわれて
たくさんの鋭利な欠片が
平野に沈む
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