紅地の上に塗られた黒と夜/流希-Яuki-
眠れ 眠れ
と聞こえてくる
痩せていく考えに
意識は遮断されていく
季節に合わせた梨の雫を啜り
飢えを凌ぐ
曖昧だった欲望が
夜に進んで行く中
膨張し始める
簡単に弾ける蓋に
意味はあるのだろうか?
己を二つに割って
吹き出る自分
其処から始まる闇に溺れる
苦しみと悲しみ
素直になれよって言われる
この中の景色を晒して
自分は生きていけるのかい?
痛みしかしらない人に惹かれただろう
眠れるまで嘲笑いながら
微笑み
もがくのだろう
ずっと続く生活の中での
逃げ道の中で
優しくされながら
固まっていくのだ
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