直線 9/11/夏嶋 真子
 
*


ビブラートに揺らぐ空の裂け目を
幻視の鳥が飛ぶ


*


明滅をくりかえすビル群が剥がれ落ちる
 ((NYという記号を描くその一点として わたしが燃やされる))
国籍は液体でできたわたしのからだを凝固させ
異なるものを許さないと歌をうたう
模造紙の上にレプリカの町並みを再現し 
神様の視点をまねる者たちをのせて
幻視の鳥は飛ぶ


*


Hello
アメリカという名の人間がどこにいますか
"Kill Them."
今朝、挨拶をかわした隣人はアメリカとして焼かれる


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