アオスジアゲハ/
夏緑林
ぼくはひとより黒くて
くの字に折れたコバルトに
気付いて貰えない
のはわかっているけど
くるくると複眼で見据えても
確かなものなど
なかなか映りやしないけれども
誰よりもはやくはやく飛びたい
ひとおもいに飛びついて
洗髪したての
きみの頭で羽ばたいて
ジェリーのように
ぼくの精油で固めてしまいたい
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