アオスジアゲハ/夏緑林
 
ぼくはひとより黒くて
くの字に折れたコバルトに
気付いて貰えない
のはわかっているけど
くるくると複眼で見据えても
確かなものなど
なかなか映りやしないけれども

誰よりもはやくはやく飛びたい
ひとおもいに飛びついて
洗髪したての
きみの頭で羽ばたいて
ジェリーのように
ぼくの精油で固めてしまいたい

戻る   Point(3)