積木/たもつ
眠れない道路のために
枕を置いていく
だから手紙を書きたいのに
便箋が見つからない
右手の方に流れている川は
蛇行を繰り返し
やがて左手の方に流れる
そのためには橋を渡る必要があるけれど
さっきから一人の人が
姉のように立っているだけで
あまり暑さも感じない
今まで姉をもったことなどないので
よく見ればそれは蓮根かもしれない
そう思うと姉の作った蓮根の料理が
無性に食べたくなって
川をまたいで渡った
アミノ酸と同じうような構造式をもった物体が
川を流れていく
あれは誰の自転車なのだろう
可愛そうに流れていく
川が行き止まりになった所で右折する
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