登山列車/……とある蛙
蒸気機関車の車窓から
景色が後方へ飛んで行く
山は碧から朱に変わっており、
山肌には不気味な道が這い回る。
しゅっしゅらしゅっしゅっしゅ
しゅっしゅらしゅっしゅしゅっしゅらしゅっしゅ
しゅらしゅっしゅっしゅ
山間の縫って走る
蒸気機関車の車窓に
不気味な山裾が迫ってくる
線路はまっつぐ山頂へ
しゅっしゅらしゅっしゅっしゅ
しゅっしゅらしゅっしゅしゅっしゅらしゅっしゅ
しゃらしゅっしゅっしゅ
急勾配にさしかかり
蒸気機関車の車窓に
山それ自体が膨らんで入ってくる
線路はくねくね山頂へ
しゅっしゅらしゅっしゅっしゅ
しゅっしゅらしゅっしゅしゅっ
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