アンバランス/
nonya
僅かに傾いているのが世界だから
背筋を真っ直ぐに伸ばしても
朝と正対なんかできない
本当は
微かに揺れ続けるのが自分だから
どんなに目を凝らしても
夜明けすら見極められない
今日も
素敵な大人のお面をつけて
穏やかな家庭人のジャージをはいて
湿った砂袋は逃げ足を磨く
磨きながら傾く
磨きながら揺れ続ける
程好い居心地の悪さの中で
居心地の良い不安定の上で
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