鏡/雪乃
 
全身鏡を見ていた

醜い自分の姿が映った

見ていて反吐がでそうになったのを必死に堪えた

瞳の中の自分が笑っていた

口元は狐を描いて無かった

けれど、映る姿は自分でしか無く

他の誰でもない

同じ動きをする鏡にグラスに入った水をぶっ掛ける

水は滴れおち

鏡の中の自分は泪を流していた

私の口元は狐を描いた


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