ハズバンドの処刑/カンチェルスキス
電車に乗ってるやつらの膝を砕き週刊プレイボーイの中吊り広告を見て勃起する
終電前の電車だ
吊り革の円がほんとに丸くて
消費者金融の広告の女のくどいほどの笑顔とホームの青葱まじりの大量のゲロ
役目を終えた扇風機がまるでアンモナイトの化石だ
青の座席シートに残した凹みだけがやつらの手持ちのカードで
キッチンの排水口に吸い込まれてゆく油ものの汚水のように扉に集まっちゃ外に出されていく
明日になってもすわらない首をひっさげて大目に見てもしかめっ面だ
どこでも買える服や靴や時計、しみったれたプライド、生ゴミみたいな価値観、それについて語るおれのしょうもなさ
客待ちのタクシーに連れ去られ
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