蟻も雨も/
葛西曹達
宇宙はきっと真っ暗で
僕らが思っている以上に
光は寂しい存在で
正しさなんて儚くて
足元につくばう蟻と
天井から落ちた雨
雲泥の優劣なんて
誰が決めたんだろう
取り残された星に
人は名前を付けた
名前の付いた星どうしを
線で繋いでいった
とってもとっても流れて
銀河は大きくなったけど
ほの暗く静かな黒は
それ以上に広がってたんだ
蟻も雨も僕も
確かにあの光の中にいて
膨らみ続ける暗がりに
打ち克てないままでいる
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