ある夜の隅の逃亡者/番田 
 
そして私は歩くのだ 
そこに 誰もいない 街を
レンガのように ああ
壁の 中を 黒っぽくなった


そうして 新聞を持って 
ひとり 私は歩いていこう
言葉にされたそのあたりに 
人を 流れて 過ぎて行く


歩いて ただ 川を 
お化けという何かにされ 
変わり者の 私は 一人ぼっちのまま 
いつまでだって流れていく 


知ることのない道を そこで
揺れている草としての何かになり
揺れつづける 何度も 葉の
道の上を
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