傷/
tam
大したことじゃないかどうかはわからない
簡単に明かすものではない出来ごと
だとはわかっている
それでも徐々に
それは歪み、無意識に脚色され
僕ともう一人の秘密であったから
真実を確かめる術はほとんど残されていない
この傷は誰がつけたのだ
曖昧な記憶 決定的なシーンは欠落
どうせ大したことじゃないだろう
それでも忘れまいとしている
楽に生きられるかもしれない
しかし、次騙されたとき
耐えられる自信は微塵もない
大したことじゃないだろうに
戻る
編
削
Point
(0)