○/豊島ケイトウ
 
真に円いものなど
何一つとしてありえない
にもかかわらず
孤独を円く円く
よりやすらかなかたちへ
よりあたたかなかたちへと
僕はひどく愚かだった
とはいえ限りなく球体に近く
蹴っても投げても
溶け込むような転がり方で
僕を微笑ませてくれるものは
孤独のほかに存在するのか
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