「沸点」/
ベンジャミン
わたしを動かしている
脈々とした流れが在る
指の先まで細くゆきわたる
見えないはずの赤い糸が
ふつふつと啼いている
うずくのとは違う反応が
浮かんだ言葉を紙にならべて
つかの間なにかを忘れさせてくれる
けれども今日はひどく辛いので
わたしはその言葉たちの
本当の声を聞くこともできない
(夏を終わりにするのは
このからだのほてりが消える頃)
それからわたしは
次の季節の言葉を探します
ふつふつと啼く
赤い流れに問いかけるように
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